今の政治家に爪の垢を煎じて飲ませたい仁徳天皇の仁政 後編



仁徳天皇がある時、高い山に登って、四方の国々を眺望して言うには、

「国の中に烟發たず、国、皆、貧窮し。故、今より三年に至るまで悉く人民の課役を除け。」
現代語訳:「国の中に釜戸の煙が出ていない。国中のものは皆、貧窮している。だからこれから三年の間、すべての人民の課役(エツキ)を免除しよう。」

その結果、宮殿はすっかり傷んでしまい、あちらこちらから雨漏りしていましたが、仁徳天皇は修繕を命じようとはせず、樋(とい)をかけて雨漏りを受け、三年が経過し、再び山に登って眺望してみたところ、国の中に竈の煙が一面に立ち上っていました。

それを見た仁徳天皇は皇后に「自分はもう富んだ。これなら心配いらない。」と語ると驚いた皇后は「何で富んだと言えるのでしょう?」と聞いたため、天皇は「人家(じんか)の煙が国に満ちている。人民が富んでいるためだ。」と返答しました。ますます、おかしいと思った皇后は「宮の垣が崩れて修理も出来ず、御殿は破れ、御召し物が濡れる有様で、何で富んだといえるのでしょうか?」と尋ねました。それに対して、仁徳天皇は「天が人君(じんくん)を立てるのは、民のためである。民が根本であるので、民が富んだのなら自分が富んだことになる。それで人君(じんくん)が貧しいという事はないのである。」と答えました。

今の政治家にも見習わせたい一面でもあります。が、同じ事をやれという訳ではないですけれども。
減税や免税は大いにすべきだと思いますが、今の日本が仁徳天皇のような節約をすると、政府支出の削減によってデフレが深刻化してしまいますから。橋本内閣から安倍内閣まで、ずっと同じことをやっていますが。我々の所得は誰かが支出してくれなければ産まれませんから。

仁徳天皇の時代は生産性が圧倒的に低く、インフレ状態でした。仁徳天皇が御所の修繕をすると限られた生産能力が民から奪い取られてしまい、民が苦労することになるという事です。
ところが、現在の日本は物が売れなくて困っているデフレ状態。減税で国民の所得を増やし、政府が支出することでお金の量が増えて、国が豊かになります。
経済状態に応じて、経済政策を変えていかなければならない、という事です。現在の日本のように、デフレの国がデフレを深刻化させる政策ばかりやっててはいけないという訳です。

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