インフラにゼロ金利融資

『インフラにゼロ金利融資 政府・与党、財政投融資で最大3兆円
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS13H37_T10C16A4MM8000/

政府・与党はインフラの整備に使う資金をほぼゼロの金利で民間企業に融資する仕組みを検討する。日銀のマイナス金利政策で発行コストが大幅に低下した国債を増発し、日本政策投資銀行など政府系の機関を通じて最大で3兆円を貸し出す。新幹線の建設といった大規模な事業を進めやすくし、もたつく景気を下支えする。(後略)』

例の「プライマリーバランス黒字化目標」という呪縛が、現時点でも我が国の財政の手足を縛っています。
本来、公共投資は建設国債でやるべきですが、なぜかプライマリーバランス目標に建設国債発行分も含まれてしまっています。元々のプライマリーバランス管理の発想は、赤字国債(特例公債)の抑制であり、インフラが残る建設国債は無関係だったのですが。

というわけで、
「民間企業は、デフレで需要不足であるため、銀行からおカネを十分に借りない」
「政府はプライマリーバランス目標が足かせになり、銀行からおカネを十分に借りない(=国債を発行できない)」
状況に、日本銀行のマイナス金利政策が加わり、長期金利までもがマイナスになってしまったのが我が国でございます。
というわけで、「現在の環境」で正しい財政政策を打ちだすべく、政府がマイナス金利で資金調達し、民間に超低金利(ゼロ金利等)で貸し出すことで需要を喚起しようという動きがあるわけです。

後略部にはあるのですが、対象はインフラ整備、保育・介護等で、具体的には「北陸新幹線の延伸」「羽田空港への鉄道網のアクセス改善」「IoT」などになっています。まさに、インフラや技術への投資ですね。

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日経新聞は、最後に、
「財政投融資の活用案が浮上した背後には、日本がサミットの議長国として世界経済に貢献する姿勢をアピールする思惑もちらつく。成長力を高めるような効果的な投資先を選ばなければ、一時的な景気浮揚策にとどまるおそれがある。」
と、例により抽象的に難癖つけていますが、そもそも「成長力」とは何なのでしょうか。それはもう、生産性の向上のことでございます。
現在の日本にとって、インフラや技術への投資が「生産性の向上に貢献しない」と断言するのは、さすがに無理があります。何しろ、我が国は生産年齢人口比率の低下により、超人手不足になっていくのです。

例えば、北陸新幹線が早期に大阪・関空まで延伸されると、関西と北陸間の移動時間が短縮されます。これを「生産性向上ではない」などと主張する人は、そもそも生産性向上の意味を理解していないという話になるわけです。

いずれにせよ、インフラにゼロ金利融資は、現在の日本にとって極めて適切な考え方です。
「そもそも、プライマリーバランス目標を破棄すればいいのでは」
と思われたでしょうし、その通りなのですが、現在の安倍政権や財務省では望み薄だと思います。そもそも、PB目標を閣議決定したのは、安倍政権なのです。
総理が「消費税増税は間違えていました。PB目標も間違えていました」とやってくれれば、これは大変嬉しいですが、まずないでしょう。
結局、政治とは「その時点でできることをやる」しかないわけで、PB目標という呪縛に絡めとられながらも、何とか「正しい財政政策」を実施しようとする政治家たちが存在することを、どうか知って下さい。だからと言って、別に彼らを支持しろと言いたいわけではなく、正しい政策について「正しい政策だ」と賛同の声を上げて欲しいのです。

引用:『三橋貴明の「新」日本経済新聞』 2016/4/14
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