詳しくは、間もなく初日となる日本文芸社「最強の地方創生 交通インフラの整備で日本を小さくせよ!」をお読み頂きたいのですが、興味深いことに、先日、江戸時代も、

「江戸に人口が集中することで少子化が進んだ」

という話を聞きました。江戸時代、江戸で建築需要が高まり、各地から膨大な「男性人口」が流入してきたそうです。とはいえ、皆さん、女性を伴ってきたわけではありません。

というわけで、江戸時代の江戸には独身男性が溢れ、結婚が減った結果、少子化が進んだ、と。
無論、江戸時代の少子化にはもう一つ原因がありまして、元禄バブルが崩壊した後に新井白石、徳川吉宗の緊縮財政により日本経済がデフレ化し、米価を中心に物価が下がり続けたためです。

要するに、我が国は「デフレによる実質賃金の低下」と「東京一極集中」が、伝統的に少子化を引き起こすわけでございます。
吉宗の時代には、デフレはともかく、江戸への人口集中を食い止めることが困難でした。とはいえ、現在は違います。

各地方と東京圏を結ぶインフラを強化し、税制等で企業や住民の地方分散を促す。現在の日本にとって、インフラ強化という公的固定資本形成は、デフレーションという需要不足解消にも貢献します。

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すなわち、日本国が新幹線や高速道路といった交通インフラを整備することは「デフレ脱却」と「少子化脱却」と、二つの呪縛からの脱却をもたらすのです。

しかも、交通インフラ整備計画をゼロから造る必要はありません。とりあえず、全国の高速道路のミッシングリンク(繋がっていない箇所)を結び、基本計画がある新幹線を順次、整備していくのです。

特に重要といいますか、「取っ掛かり」になる可能性があるのが、北陸新幹線の大阪(できれば関空)延伸と、リニア新幹線東京-名古屋-大阪同時開業です。

北陸新幹線は、敦賀までの工事は始まっていますが、そこから先はルートすら決まっていません。早急に、できれば京都を抜け、関空に至るルートで整備計画を決定し、事業化するべきだと思います。

リニア新幹線は、JR東海が2027年までに東京-名古屋間、45年(!)までに名古屋-大阪間を整備する計画ですが、遅すぎます。エントリーにもありますが、マイナス金利を利用し、JR東海に9兆円を無利子、無担保で貸し付け、早期の同時開業を目指すべきです。

無論、北陸やリニア以外の新幹線も整備計画し、事業化していくのです。インフラが整備され、税制優遇を拡大すれば、ようやく東京への一極集中に歯止めがかかることになります。

長期のプロジェクトが同時並行し、人手不足が加速し、企業の生産性向上のための設備投資や人材投資が始まれば、実質賃金の下落も終わります。若い世代の雇用や所得が安定していけば、やはり少子化は終息の方向に向かうことになります。

現在の日本が「デフレ脱却」「少子化脱却」のために何をやるべきなのか。あまりにも明らかなのです。

引用: 『三橋貴明の「新」日本経済新聞』2016/4/18
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